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恋愛小説工房

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- 連載 -

指輪(7)
カテゴリ:連載   テーマ:その他   季節:なし

2日目も、終わろうとしていた。
夕方、重い足をひきずって、まったく開かなかったファイルを手に、出勤した。
「どう?終わった?」
チーフの神村さんは、いつもと同じ調子で声をかけてくる。
「いえ……残りはここでやろうと思って」
「じゃあ、よろしくね」
終わらなかったら、クビになるんだろうか。
そんなことは、べつにかまわない。
ただ、迷惑をかけることになる。
僕はとにかく、パソコンを起動して、ファイルを開いた。
くだらないことばかり書かれた、紙、紙、紙。
見るのもイヤだ、と思ってしまう。
「これ、ひどいわよねぇ」
神村チーフが、そう言って、ファイルを手に取ると、パラパラとめくった。
「これがね、最終的に、どれくらいまともになるか、っていう集計なの。
 今ひどいほうが、最後に良くなったっていう
 結果になるわけだけど……
 それにしても、ひどすぎよねぇ。
 こんなの、どーにかなるのかしら、ホントに」

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2007/01/12(Fri) 18:13  no.147



指輪(6)
カテゴリ:連載   テーマ:その他   季節:なし

締め切りまでには、あと2日ある。
けれど、昼も夜も、君のことを思い出しながら、ベッドでもだえていた。
気が狂いそうなほど、君に会いたい。
ただ会えるだけでいい。
1日が終わる。
ふらふらと起き出して、1日1食を、やっとの思いで飲み込む。
薬を飲むのも、1日1回になってしまう。
指輪を見る気にも……なれない。
味のわからない食事を飲み込みながら、涙がボロボロこぼれる。
君に会いたい。
僕はもう、狂ってしまったんだろうか。
君の笑顔を思い出したり。
それを打ち消したり。
いっそ、死んでしまいたい。
いや、死んだりしたら、君に迷惑をかける。
友人はきっと、君に連絡するだろう。
君に重荷を背負わせるわけには、いかない。
だから僕は、ただ、寿命が来るまで生き続ける。
けれど、もう何も考えられない。

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2007/01/12(Fri) 18:12  no.146



指輪(5)
カテゴリ:連載   テーマ:その他   季節:なし

ときどき、入力するのがバカバカしいようなデータもある。
程度の低さや、幼稚さに、辟易することがある。
それがまた、締め切りに追われた仕事だったりすると、
なんでこんなやつらのために? と思ってしまう。
こんな時間を過ごしていて、何になるんだろう。
君が微笑んで、励ましてくれていると思っているのは、
単なる僕の勝手な妄想だ。
本当の君は、もうずっと遠くにいて、僕のことなど思い出しもしない。
思い出したくないとさえ、思っているに違いない。
徹夜のときに、雨が降っていたりすると、本当につらくなる。
こんなことをして、少しぐらい稼ぎを得ても、君に会えない。
君にもう、会えない。
デートは、いつだって雨だった。
君が泣いているような気がするのも、僕の勝手な妄想。
ある夜、僕は仕事を投げ出した。

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おしらせ。
アニメーションバナー、復活。

2006/12/09(Sat) 16:48  no.144



指輪(4)
カテゴリ:連載   テーマ:その他   季節:なし

助手の仕事というのは、ほとんどがデータ入力だ。
たまに、そのデータから、グラフを描いたりもする。
すべてパソコンで、少し操作するだけの仕事だ。
指示を出されて、わからないところだけ、質問すればいい。
あとは作業だけだ。
人と話をする必要がないので、僕にとっては気楽な仕事だ。
それでも、締め切りに追われることもある。
そんなときは、徹夜になる。
ふと、指輪を見ると、ちゃんとこっちを向いていることが多い。
本当に、単なる偶然とは思えないほど、多いのだ。
「がんばってね」
君がそう言って、笑ってくれているような気がする。
そっと指輪に口付けて、僕は仕事を続ける。

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思ったより長い話んなるかも。

2006/11/26(Sun) 09:39  no.142



指輪(3)
カテゴリ:連載   テーマ:その他   季節:なし

最近、助手に雇われることになった。
雇われると言ってもバイトだ。
僕の事情を考慮してくれて、そんなに無理な仕事内容ではない。
けれどそれなりにハードだ。

君と一緒に生活することを夢見ながら、
そんな日は来ないのかもしれないと思いながら、
それでも、とりあえず生活を整えて、
君がもし来たくなったときには迎えられるようにしたいから。

仕事を必死でやっていると、君のことなど考える余裕がなくなったりする。
でも、そんなときに、指輪がちゃんと、こっちを見ていることが多い。

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2006/08/15(Tue) 01:09  no.141





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