ベルゼーヴァ
ベタ惚れ日記


ベタ惚れ日記〜ディンガル宰相ベルゼーヴァ〜

※多分ネメア編と平行しているものと思われます。
 関係無いけど。

○月○日

 政務とはつまらんものだ。
 エリュマルクめ、面倒な事は全て私に押し付けてくる。
 あんな無能さっさと廃して、ネメア様に皇帝になっていただきたいものだ。
 その準備もできている。

 今日もまたつまらん政務を終え、私は城に帰ろうとしていた。
 広場を通過しようとしたその時、大通りの方から歩いてきた少女。
 ・・・無限のソウルではないか。
 華奢な体とあどけなさの残る顔だちで、とてもそんな大きな力を有しているとは思 えない。
 ・・・でるところはちゃんとでていたがな。
 インフィニティアも宿していなかったが、その目の鮮烈な輝きは、彼女の無限に広 がる可能性を表わしていた。

 この少女なら、人類の革新を成せるかもしれない、と感じた私は、とりあえず名前 だけ訊いておいた。
 ・・・=リューガ、だそうだ。
 何を考えていたんだあの少女は。それは敵国ロストールの大貴族の姓だろう。
 何ゆえ冒険者などやっているのかは知らないが、捕まえてくれと言っているのと同 じだぞ?
 ・・・それはそれで美味しい状況だが。
 捕まえる気は無かったので、とりあえず「冴えない名だな」とだけ言っておいた が。

 か・・・なかなか良い名前だな・・・
 あのフトモモは良かった・・・


◎月○日

 ああつまらん、何とつまらん仕事なんだ。
 たいした統率力もない皇帝が、のんびり茶を飲みながら東方諸国と戦争だとはどう いうことだ。
 外といざこざする前に、内政のことを考えろ、為政者よ。

 そんな不満を紛らわす為、という訳ではないのだが、少し前に宰相の権力で「敵国 の貴族」の情報を片っ端から集めさせてみた。
 こうゆう時こそ自分の権力というものを感じる。
 今はその報告書に目を通しているのだが・・・

 ・・・ほう、貴族の権力争いに巻き込まれた農家の娘か。
 哀れな境遇だ。ディンガルではある事じゃない。
 リベルダムの闘技場で、あのレーグを倒したか。
 やはり並みの人間ではなかったという事だな。
 ・・・邪竜エルアザルを倒した?
 それは興味深いな。
 ・・・何?ネメア様とまで知り合いなのか?
 そうか・・・複雑なところだ。

 その他にも、性格やら好きな物やら異性の好みやらまで本当に片っ端から調べ上げ てあった。
 私は下着の色まで調べろとは言っていないのだが・・・。
 この調査書を書いたのは一体誰なのだろうか。
 それよりもどうやって調べたのか。
 ことによっては処刑ということも・・・いや、忠実に命令を実行したからこそ彼女 が大の紅茶好きだという事も判明したのだ、という事にしておこう。
 あくまでもストーカーではないのだろう、多分。

 ・・・しかし、黒か・・・。
 これは楽しみだ。


◇月○日

 とうとうネメア様が皇帝になられた。
 まあまあ優秀な4人の将軍を揃え、本格的に大陸攻略を始める。
 闇の神器の捜索に出掛けられるネメア様のぶんまで、私がしっかり国をまとめてい こうと思う。

 そんなおり、ライラネート神殿の前で、に会った。
 ちょっとばかり振り返って、ライラネート像とを比べてみる。
 ・・・やはり、のほうが美しい。
 何故人間は、あんな意味もなくでかい石の塊なぞ作るのだろうか。
 別に押し倒せるわけでもないのに。
 あんな冴えない名の神様気取りに誰が祈るか、とか私は思うのだが。

 私は、にエスト=リューガ博士の話をした。
 の「義理の」兄だ。
 彼女はにっこり笑って知らぬふりをしていたが、顔が露骨に「知っている」と語っ ていた。
 面白い奴だ。
 私は「ロストールの攻略は早めなければ」などと言ってもみたが、それでも彼女は にこにこと笑っていた。
 これは調査書どおりのつわものだ。

 別れる時に、連れていた兵士の1人がいかにも恨めしそうな表情を浮かべていた。
 調査書書いたのがこいつだったらどうしようか。


◇月◎日

 久し振りにシャロームの顔を見に行った。
 相変わらずむかついた。
 特に策も無いのにゆーこと聞けゆーこと聞けと五月蝿いシャロームとの口喧嘩。
 我ながら子供っぽい気がした。

 人類の革新を実現するのはネメア様だ。
 古き時代の王は、もう必要ない。

 と、そこで思い出す少女の顔。
 無限のソウルを持つ者、
 始めて会った時に感じた無限の可能性は、底の知れない何かは、我らを革新に導い てくれるかもしれない。
 知らず知らずにこぼれた最後の一言は、・・・後ろで見ていたには聞こえた
だろうか。

 城に帰った私に、また面白い情報が入った。
 近衛のオイフェとやらからなのだが、が、闇の神器の捜索を誰かから依頼さ れたのだそうだ。
 我らからではない。
 敵対することになるのだろう、ということだ。

 とネメア様の対立か・・・と思ったのだが、ネメア様にお話ししたら、「レ ヴァ」の名が出るたびに態度がおかしい。
 もっとも長くつきあっていたからわかる変化なのだが、もしやネメア様・・・。
 複雑な気分だった。

 が。
 譲る気は無いですよ、ネメア様、ということでまとまった。


◇月◇日

 なんと強気な少女だろう。
 いや、ただ無防備なだけなのか。
 が、城門の兵と世間話などをしていたのだ。
 かく言う私も執務室に招き入れてしまったのだが。
 城内に誘い入れて暗殺、などと冗談を言ってみたが、怖がる素振りだけ見せて顔は 笑っていた。
 城内に誘い入れて押し倒す、とも考え付いたが、そんなことを言ったら逃げられそ うなのでやめておいた。
 言おうとしたのをやめておいただけで、するかしないかは保証できたところではな いが。

 好奇心旺盛、というか物好きなは、私に実に色々なことを尋ねてきた。
 髪型のことについては訊かないでほしい。本当に。
 秘書官とかいないのか?お前がやってくれ。
 好きなタイプなど訊くな。お前だ、お前。
 何か食べたい物?お前だ、お前。

 やっとが帰った頃には、もう夕方になっていた。
 ふと机の上を見ると、今日中に書き上げなければならない書類が山積みになっい た。
 よってこんな日記を書いている暇など無い。
 今日は徹夜だ・・・。


◇月□日

 ネメア様が帰っていらした。
 そんな時に、またが訪ねてきてしまった。
 とりあえずは通したが、ネメア様・・・こそこそ後をつけるのはやめていた だきたい。
 部屋まで覗かれては、あれやこれやができないでしょう。

 今日は、が勝手に自分の冒険譚をつらつらとしゃべっていた。
 ネメア様が見ている前で、現物を見せながら、闇の神器を勝ち取った話などしない でほしいものだ。
 さらに、スラムで妖術宰相ゾフォルを助けちゃったなどとも話していた。
 こうなると無謀を通り越している。
 ネメア様は話の内容なんざ聞いちゃいなかったようだが。

 夕方、ネメア様とオイフェとやらが話していた。
 に闇の神器を奪われた、という報告だ。
 ネメア様がなんだか嬉しそうな顔をしているのは、私だけがわかることだ。
 いろんな意味で先が不安になった。


□月○日

 我がディンガルがロストール攻略をおこなった。
 結果は、敗退。
 確かに、ロストール軍は全滅近くに追いやった。
 奇襲によって、アンギルタンが討ち取られたのだ。
 歴戦の名将といえど、死ぬときはあっけないものだな。
 人間とは、つくづく脆いものだ・・・。

 あちらの奇襲部隊を率いていたのは、あの剣狼ゼネテス=ファーロスだった。
 から話を聞いていたのでその評判や実力・・・貴族である事までも何故か 知っていたが、ここまでやるとは思ってもみなかった。
 そして副将に
 アンギルタンとは仲が良かったようだ。
 可哀相なことをしたものだ。
 ・・・もう城には来ないかもしれないな。
 でも彼女の為に紅茶を用意している自分が恨めしい。


□月◎日

 またが訪ねてきた。
 ・・・何を考えているんだ本当に。
 あの戦いが終わって10日も経っていないのだが。
 そしてまた執務室に通す私。
 さらに幸せそうに彼女と話す案内人。
 極めつけにまた尾行してくるネメア様。
 これはもうアバウトどころじゃない。

 は、開口1番に「何で通してくれたの?」などと言っていた。
 そうゆうどうしようもない質問はやめてくれ。
 誘い入れて押し倒したいからに決まっているだろう、とは口が裂けても言えないの で、ネメア様が喜ぶから、と言っておいた。
 これもまた真実だ。

 良い紅茶がある、と言ったらがいれてくれた。
 ・・・せめてエプロンくらいは用意しておけばよかった。
 横目でネメア様を見てみた。
 フフフ、美味しい紅茶でしたよ、「獅子帝」。


△月○日

 ネメア様が行方不明になられた。
 何があったのか。
 ・・・ということの真実を教えてくれたのは、だった。
 2回も戦争をした敵国の中枢部に、武器も持たないでやって来るその思考回路は一 体どうなっているのか。
 そして依然としてそれを迎え入れる我らもどうかしている。

 ネメア様は、を庇って次元の狭間に落ちてしまった。
 何故ネメア様も逃げることができなかったのだろうか。
 はネメア様を助けるだとかどうとか言っていたが、そんなことはこの際無視 しよう。

 さあ、ネメア様亡き今、一体誰が人類の革新を推し進めるというのか。
 それはと私だろう。

 ということで、を我が私室に招待してみた。
 睡魔の牙を粉状にしたものがここにあった。夕食後の紅茶に入れてみた。
 さあ、これで「夕食後につい眠ってしまった」が出来あがった。
 そのうちに、シャロームに教えてもらった記憶操作の術をほどこす。
 同じくシャロームに教えてもらった「誘惑」をかければ完成だ。
 許せ、。これも人類の革新の為だ。


 フフフ、人類の革新は遠くない話だな・・・


△月◎日

 昨日「夕食後につい眠ってしまった」が起きてきた。
 何も覚えていない。記憶操作は完璧だ。
 誘惑の効果がきれていたのが惜しいが、まあ次回もかければいいだけだ。
 人類の革新は始まったばかりなのだから。

 は腰が痛いなどと言って、午前中は執務室にいた。
 人類の革新と共に私も革新した気がする。今日はやけに仕事がはかどっていた。

 ネメア様、どうぞ安らかにお眠り下さい・・・。


▽月∞日

 エンシャントが陥落した。
 あの妙に個性的な宗教集団の奴らが召喚した魔物達に、あっけなくやられてしまっ たのだ。
 人間とはつくづく無力なものだ。
 「あれ」以来人類の革新が進んでいなかったからだろうか。

 そこにが来た。
 ネメア様の育ての父であるオルファウス殿はともかく、なぜ剣持った狼野郎ゼネテ スが付いて来ているのだろうか。
 一瞬火花が散ったが、すぐに冷静さを取り戻した私は、にことの成り行きを 話した。
 すぐに状況を理解した
 笑顔で「じゃ、突っ込んでくる」と言われた時はさすがにびびった。
 私も付いて行きたかったが、ディンガル宰相として民を守る義務がある。
 傷ついたら戻って来い、治してやる、と言っておいた。

 次に戻って来たと一緒に、こともあろうにネメア様がいらっしゃった。
 しぶといお方だ。
 まあ本当に死んでいたらちょっと悲しかったかもしれないので、ご無事で何よりで すとだけ言っておいた。
 が少し魔力を消費していたので治した。
 そんなに睨むなよ獅子と狼。

 いきなり魔物達が全て消えた。
 召喚士が倒されたのだろうか。
 とにかく再発の危険性はなさそうなので、詳しい被害状況を調べ処理を始めた。

 次に帰ってきたのは何故かネメア様だけだった。
 事情を聞いて、本格的な事後処理に取りかかった。
 ネメア様は不機嫌そうな顔をしていた。
 私だって野郎だけが帰って来たって嬉しかないですよ。


☆月☆日

 ロストールとも和平を結び、エンシャントの復興もほぼ完了した。
 以前戦争をしていたのが馬鹿馬鹿しく感じる。
 気づけばシャロームがいなくなっていたが、策が無さそうなので放っておいても大 丈夫だろう。
 そういえばずいぶんと会っていない
 そして進んでいない人類の革新。

 ・・・西大陸に旅だった?
 剣持った狼野郎もか!
 追い討ちをかけるように、ネメア様が消えた・・・。
 部屋には「まかせたぞザキヴ」という置手紙があった。
 私は急いで、その後に書いてあった「後はよろしくなベルゼーヴァ・・・フフフ」 という部分を切り取って燃やし、私室に駆け込んだ。
 勿論旅支度だ。

 人類の革新が、少しだけ遠くなった。
 私は諦めんぞ、絶対。
 
 〜FIN〜
さすが聖様ですわ!
ベルゼー怖い(笑)。
次からのプレイで彼の見る目が違うくなりそうです。
し、しかし、私が気になるのは、を調べた諜報員なんだけど(笑)

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