| 熱い夜は貴方の隣で
1000HIT記念創作 |
| ぎらぎらと照りつける太陽。地面からはゆらゆらと湯気がたつほどだ。遠くの景色も揺れて見える。 あたしの額からは、拭いても拭いても涌き出てくる汗。 ・・・そう、ここまで言えば誰でも分かるだろう。今、あたしがどういう状態にいるのか・・。 夏。 「えぇぇぇぇい!!この美少女魔道師リナ=インバース様に向かって照りつけるとわ!!。おりてこんかー!!」 「・・・リナ、太陽に怒鳴っても仕方ないだろう。ますます暑くなるだけだ。」 汗ひとつかかない、あたしの相棒、ゼルガディスは、あいかわらずのクールぶり。しかも、こいつ、いつもの白いフードをかぶったまんま。見てるほうが暑くなってくるわ・・。 「だって、暑いんだもん。早く街について、お風呂に入りたいわ!!」 「俺は寝たいよ。昨日はリナのおかげで寝れなかったからな。」 うるさい。 ・・・・誤解のないように言っておくが、ゼルの肌って、冷たくて気持ちいいのだ。昨日は野宿ということもあり、蒸し暑い中、寝れないあたしは、思わずゼルにぴったりとくっついて寝ていたのだった。 まぁ、聞きようによっては、ただののろけに聞こえないかもしれないけどね。 「ま、いつもは俺が寝せないからたまには我慢だろうな。」 す、すましていうなぁぁぁぁぁぁぁ!! あたしの体温がますます高くなったような気がする。見透かしたように、ゼルが笑う。 「ほら、街が見えたぜ。そんなに大きくはないが、宿はありそうだな。」 「きゃん♪ごはーーーーんがあたしを待っているぅ♪」 あたしは町に向かって走り出す。その後を少し笑って追いかけてきてくれるゼル。 いつもの光景だけど、今のあたしには十分すぎるほどの幸せなのだ。 ・・やっぱり、のろけかしら♪ 「ふはぁぁ!!生き返ったわぁ。」 街に入ると、いくつかの出店がでていた。あたしは、その中で、フルーツの店に目をつける。 この街でしか取れないという、南国風のフルーツをそのままかぶりつく。 果汁が口の中に広がり、のどが潤っていく。甘くもなく、それでいてさわやかなのどごし・・。 「んー、デリシャスゥ♪」 「どうやらご機嫌は直ったらしいな」 ゼルはあたしの顔をのぞきこんで、背中を人叩きする。 まるであたしが食べ物につられるみたいじゃないの!!・・ま、まぁ、あながち間違いとはいわないけどさ。 「とにかく、宿みつけましょ。」 「あぁ、そうだな。久しぶりにベッドで寝れるから疲れもとれるだろう。」 あてもない旅は野宿が多い。特にゼルはついた街での情報集めにいそしんでいるのだ。休めるのは夜のみ。せめて立派な宿に泊まりたいのだが・・。 「じゃ、俺は泊まれるような宿を探してくる。あとでここで待ち合わせしよう」 そう、ゼルは普通の宿には泊まらない。理由は彼の体にある。 『合成獣』。 これが彼の悩みのひとつ。情報集めも、元の体に戻れるためのものなのだ。 「ちょっと待って。大丈夫よ。少しくらいのお金を上乗せすれば泊まれるわ!!」 あたしはゼルのフードを掴む。 「リナ?」 いつものあたしなら仕方なしに頷くのに、なぜか今回は無理にでもゼルを引き止めるあたしにゼルはあたしの瞳をのぞきこむ。 「だ、だって、夜、暑いんだもん・・・。」 恥ずかしくてうつむくあたし。 「それって、一緒の部屋で泊まりたいってことだな?」 あらためて言われると恥ずかしくて、顔が火照ってくる。 「ほら、こ、この間、暑さで耐えれなくて、そのへんの盗賊団を≪氷の矢≫で倒しまくったでしょ? あのときのお金が結構残ってるのよ・・。だ、だから・・その・・。」 あたしがいつまでもうつむいてるのに痺れをきらしたのか、ゼルはあたしの顔を上に向けさせる。 「リナの誘いを断れるほど、俺は我慢強くなくてね」 軽くあたしの唇を塞ぐ。 「や、だ。みんな見てるじゃない・・。」 「そうだ、な。先はまだまだ長いしな」 そう言うと、ゼルはあたしの肩を抱いて、賑やかな町並みのほうへとつれていく。 あたしの顔はあいかわらず火照っている。 夏の日差し以上に、ゼルの抱いている肩は暑かった。 宿らしき店をみつけると、とりあえず、リナが入っていく。 「とにかく、了承を得ればいいんだから、外で待ってて。」 どうやら俺の姿を見られる前に、宿を予約することにしたらしい。さすがリナといったところか。 一階が食堂となっているらしく、どこにでもある普通の宿だ。 5分ほどすると、にこにことした顔でリナが出てくる。 どうやら交渉は成功したらしい。まぁ、リナに勝てるやつがいたら俺は誉めてやりたいがね。 「OKよ。結構すんなり予約がとれたわ。さ、情報集めにいきましょ♪」 俺の手をとって、街の入り口とは反対方向に歩き出す。 「どうやらこっちに寺院があるらしいのよ。少しは情報がえられるかもね。」 「どうやって宿の主人をへこませたんだ?」 ジト目で俺をにらむ。 「あのねぇ。人が苦労したってのに・・。」 「悪かったよ。助かったよ、リナ。久しぶりだからな、こういう宿に泊まるのは。」 ガウリイとアメリアが一緒にいたころは、何度かは泊まれたのだ。説得役はもっぱらアメリアだったからな。 「大火傷してるっていってあるだけ。ちょっと困った顔してたから、あとはアメリアの真似しただけよ」 なるほど。大火傷負ってれば、確かに見せたくないもんだろう。 「しかし、アメリアの真似とはな。見てみたかったよ。」 「アメリアってすごいわね。あたしは恥ずかしかったわよ。迫力負けするんでしょうね、あれは。」 正義の演説(?)のおかげで俺は泊まれるわけか。 これでも闇の世界では名を知られてる俺が、皮肉なもんだな。 「食事も部屋に運んでくれるって。よかったね、ゼル。」 「悪いな。しかし、リナ」 人もまばらになってきた通りに出た。このへんはどうやら町外れらしい。 「なによ?惚れなおしたなんてありきたりの言葉はいらないわよ?」 笑って答えるリナ。先を越されたか。 「愛してるよ」 みるみるとリナの顔が赤くなる。すぐに表にでるから、からかわずにはいられない。 「な、なにいってんのよ!さ、早くいくわよ!遅くなったらごはん食べれないんだから!!」 ずんずんと先に歩いていく。 しかし、手は離さないリナ。 俺もその手を握り返す。リナの体温が手を通して伝わる。 今日は、寝れるだろうか? そんな心配をしながら、リナの後姿を見つめながら後をついていったのだった。 夕日があたりを赤く照らしていく。もう、こんな時間かぁ。 「やっぱりあまり情報は得られなかったな。こういう小さい街だからこそ隠された情報がありそうだったが。ま、そううまくいくもんじゃないか。」 口調とは裏腹に、ゼルの表情はやはり暗い。 いつものこととはいえ、あたしは何と言っていいのか分からなくなってしまう。こう言うときって、あたしは役にたたないなぁと、実感してしまう。 「リナのせいじゃないさ。そう簡単に見つかるもんじゃないんだ。俺より落ち込むなよ。」 笑って、あたしの髪を優しくなでてくれる。どうやらあたしが落ち込んでしまったのを見破ったらしい。 ・・・普通逆なのになぁ。なんであたしが慰められなきゃないんだろ。 「ありがと、ゼル。宿屋にもどろ?お風呂入って、ご飯食べてれば元気でるから。」 「そうだな。今日はリナのおかげでゆっくり休めるし。」 あたしの肩を抱いて、歩いていく。あたしはゼルの体に寄り添ってその優しさに甘える。 いつの間にこんなにあたしはゼルを頼っていたのか。 こんなにも無防備に。 「そういや、リナ。ここの街の名物、聞いたか?」 名物?あたしは驚いてゼルを見上げる。にこにことあたしの顔を見ている。 「氷のデザートらしい。あとで宿屋の主人にでも頼んでみるといいさ。今日も夜は暑くなりそうだからな」 「おいしそうね!どんなのだろ?くぅぅぅ!!楽しみ♪」 あたしはゼルの腕をとり、強く抱きしめる。 「ああ、そうだな。暑くなればなるほど、うまいだろうよ。」 沈みかけた夕日を少しまぶしそうに見つめるゼル。 あたしはその横顔に見惚れながら、体に寄り添う。 暑い夜がなぜか楽しみになってきてるなんて、ゼルには内緒。 寝れないような暑い夜になればなるほど、あたしからゼルに甘えれるから。 自分でいうのもなんだけど、素直に・・ね。 それが、季節限定のあたしなりの愛しかた。 FIN |
| 1000HIT記念リク創作です。まりえ様ありがとうございました。 これも中途半端です。もらったリクはかき氷。 さぁ、どこにでてきているでしょう! 答えは、某所の続編でお会いしましょう(笑) ・・・というお話です(なんじゃそりゃ!) |