南武線 登戸駅
上りホーム架線柱

小田急複々線化工事の槌音と多摩川鉄橋を渡っていく小田急電車の轟音が響く登戸駅上りホームにおもしろい架線柱を見つけた。周りにあるコンクリートポールとは一線を画す繊細なデザイン。現代の加工技術では決してしないような手の込んだ仕事に、かなり古い物、もしくは私鉄時代の物ではないかと思いついた。

鉄柱の組み方をよく見てほしい。1枚の板材に切り込みを入れこの部分を内側に折り曲げて同じように加工した板材を向かい合わせにし曲げた「べろ」の部分を「かすがい」の代わりにして、2本のボルトで止めるという何とも細かい丁寧な仕事である。これで1本の柱を造り、さらにこの柱を2組束ねて1本の鉄柱にしているのである。

周りを見回しても駅構内にはほかには見あたらず、この1本だけがぽつんとホームに残っていた。南武線と言うと鹿島田あたりに残るコレも開通当時の物と思われる、高圧線柱と一体化した大柄な架線柱がポピュラーだが、その合間にポツリポツリとこれと同じ架線柱があと3組ほど残っているのを確認している。戦前の職人仕事を目の当たりにできる好ましい架線柱だ。自分は一目見てこの架線柱を気に入ってしまった。

追伸:
この架線柱はこれ以外にも、まだ数本現役で残っている場所があります。2003.11.05のUPで宿河原駅のものを取り上げましたので、併せてご覧ください。