Sweet Insanity Millennium Edition



TRACKS


このCD、ブライアン・ウイルソン「幻の」ソロ2作目。「幻の」と言うのは今のところオフィシャルでの発表がなされていないため。いわゆる「お蔵入り」作品。ここではブート・レーベル HALの是非は問わないけれども、「スイート・インサニティー」の作品自体の素晴らしさはブライアンの2つのアルバムよりも優れていると思う。「ブライアン自叙伝」で中山康樹氏が述べられていたように、すべてのベクトルが「未来」に向かっている。それほどアルバムの中の曲ひとつひとつが力強く輝きをはなっている。この時期のブライアンは医師の指導のもと精神衰弱からかなりの程度回復し、創作意欲もかなりのものがあったそう。更に、父からの虐待や過去の自分のあり様をふんだんに歌詞に織り込んだ自分史的楽曲、「ブライアン」を歌うなど自分なりにショウビズの世界で生きてきた「過去」を見つめ直し整理している。そこには「未来」への展望が広がっている。しかし、ソロ1作目「ブライアン・ウィルソン」は成功したもののレコード会社の意向や諸々の軋轢のなかで発売は立ち消えになってしまった。この判断は当時それなりの理由はあったとは思うが、現在このアルバムを聴くとどうしてもその判断は間違いであると思わざるを得ない。とにかくはずれ曲がないのだ。その一曲、一曲が瑞々しさに満ちている。今となっては不可能に近いだろうが一刻も早くオフィシャルでの発売を期待したいものだ。ちなみに「スイート・インサニティー」の意味は「快い精神異常」。やったね、ブライアン。僕はたまらなく好きなんだ。あなたが。


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