チベット記10


20041102
ひたすらラサの裏町を歩く。
本当は、チベットの湖、野生のブルーポピー、鳥葬、風葬なども興味があるのだが、
ラサから動くとすると、
何処へ行くにしても最低300kのガタガタ道を覚悟せねばなら無い。
自重、自重!

拉沙苞姑尼姑寺と言うのを探す。
名刺の裏に大きく書いて、
確かこの辺りと何度も尋ねるが誰も判らない。
少なくも10回は尋ねただろう。
もうこれで判らなかったら諦めよう。
最後に尋ねた学生風のカップルが、
怪訝な顔で名刺を覗き込んでいたが、
「おお」と言って尼姑寺をなぞる。
「此処」と言い指差したのは目の前だ。
尼寺だけの方が通じたのだ。
此処が入れ口だった、普通の家と区別つかない。。



窓辺には綺麗な花など沢山飾ってあり、
やはり他のお寺とはどこか違った尼寺の雰囲気がある。





 

 



経本造りの尼さん?達、
皆、坊主頭なので男女の区別がつかない。

 

沢山の尼さんたちがお堂の中央に何列かきちんと向き合って並んでいる。
食事中のようだ。







尼さんらしい尼さんは見付からなかった、
もっとも、
無遠慮にカメラを向けられるような雰囲気ではない。


路地を歩いていて、
ふっと気が付いた。



塵一つ落ちていない。



家々の門飾りが面白い。

 

路上に広げて干しているのは兎の皮だろうか。

  




もう一つのお寺、下密院。
こちらはどうしても探し出せなかった。
もしかしたら、
「此処は入っては駄目だ」
と追い出されたあの廃寺もどきかも知れない。






20041103
バスツアー、
と言っても私独自の奴だ。
バス停でバスを待つ、来たバスに乗って終点まで行き、
また、元の所に戻ってくる奴だ。
バス停の表示、表は中国語、裏はチベット語だ。

 

3,40分走って終点、二元。
ちなみにラサ市内ならタクシーは10元、人タクなら3元から5元が相場だ。



バスの終点はラサの町外れ、広い幹道を引切り無しにトラックが通る。

 

小道を入ってみる。
直ぐ畑があり、水道が通る。

 



その向こうは山だ。
白塀に貼り付けてある丸い物は何か動物の糞らしい。




街へ戻ってカフェの扉を押す。
鼻歌を歌いながら女の子が出てきた。
コーヒーとカレーライスを注文。
一人の子の写真を撮ると、
私も私もと並び出した。



 

 

 

中には一人で撮ってくれ、と言う子も居る。
「後で送ってあげる」
と言うと、
「きっとね!」
と念を押された。

 


孫家族へのお土産にTシャツ
極めてチベットらしいのを選ぶ。



露天を冷やかす。
首飾り、腕は、古銭、ヤクの角を買う。
ヤク以外はどうせ偽物だ。

 

この奇怪な物がヤクの骨を削った物だ。
用途を聞いたら垢すりだそうだ。


夕方、二人がやって来た。
「シャオコウが食べたい、俺が店を知ってるから案内する」
「近いか?」
「近い」
私が、ジョガン広場の入れ口の屋台に案内する。
と、建飛が、
「ここは美味しくない、やっぱり、俺が案内する」
とタクシーを拾う。
案内されたのは、ズラリとシャオコウ屋が並んでいる。



 

 



やはり、土地の人間には敵わない。
これが今回のチベットの旅の最後の会食になる。
息の合った二人を眺める。
お似合いだ、きっと幸せな家庭を持つだろう。
「結婚式には是非来てくれ」
「必ず、出席するよ」
彼らは、ラサと麗江で二回披露宴をやるそうだ。
ラサは無理にしても、麗江なら参加できるかも知れない。


20041104
建蔚がバス停まで送ってくれた。
運良く左側の席が取れた。
車窓から、最後のラサ風景を収める。
刻々変わる車窓の風景、
一時間半、殆どシャッターを押しっぱなしだ。
動いているバスからはイイ写真が撮れないのが悔しい。

















ラサ空港、
3時間近くも早く着いてしまった。
何もすることないし、ただただ、ビールを飲む。
癪なのは街で5元のビールが30元、
三本も飲んでしまった。
ビールの値段を知っている中国人達はお茶を飲んでいる。
最低消費10元の大きな看板に笑ってしまう。

 

滑走路の向こうに雪山が望める。



飛行機も窓側の席を選んだ。
機中からラサを見納める。
もう一度来れるかどうか、多分、これが最後だろう。

 

チベットから四川に入ったようだ。
眼下に見えるのは、四姑娘山じゃないかな?



成都に着く。
此処でも3時間待ち、
また、ビールを飲むしかない。

 

売店でフッと目に付いたお酒を衝動買いする。
三星堆の縦目仮面を形どった徳利と杯に魅入られたのだ。



中身は判らないが外見が気に入った。

ラサから昆明へ12時間、
半分以上は待ち時間だ。
兎も角、昆明まで帰ってきた。


昆明での三日間は慌しい。
昆明に拠点が有るのは心強かった。
が、
今回を以って昆明の拠点を引き払うことにした。
大家さんとも円満に話がついた。
使い慣れた食器の油を落とす。
着古した衣類は大方処分した。
私としては丹精込めて塵を拭ふ。
電気のコンセントも全て引き抜いた。
水道、ガスの元栓も締めた。
カチリと鍵を閉める。

これで放浪の旅は終わるのか、
一抹の寂しさを感じる。
また、新しい旅の始まりかもしれない。



 

チベット記1(香格里拉)、チベット記2(梅里雪山)、
チベット記3(梅里雪山ー香格里拉)、チベット記4(ラサ)、
チベット記5(ポタラ宮)、チベット記6(ジョカン、セラ寺)、
チベット記7(ノルブリンカ離宮、西蔵博物館)、チベット記8(ラサの街角、ラサの病院)、
チベット記9(ラサ裏通り、ソンキョ・ルカン公園、パラルブ寺、マニ塚)、
チベット記10.完(拉沙苞姑尼姑寺、バスツアー、ラサのカフェ、ラサのお土産、ラサ河)