メロー南木曽吟行
 2006年6月25日-26日

文:すかんぽさん
句会感想:伸さん
写真:えーさん、ザックスさん、すかんぽさん、よっこさん、安房守

みなさん こんにちは すかんぽです
選句、お楽しみいただきましたでしょうか
それでは、名句の舞台をご案内いたします。

今回はえ−さんのお骨折りで、「ホテル木曽路」に1泊して、中山道妻籠宿・馬籠宿へ。
天気予報は良くなかったのですが当日はまずまず。
参加者は伸・雑楠・屯・樽・花眼・安房守・呑太・由由・よっこ(敬称略)・すかんぽ
の13番会議室常連に加えて、え−さん・まるこさんの12名。
25日(日)名古屋10時発のワイドビューしなの7号でお会いした人達と、
先に、南木曽駅から徒歩で行ける桃介橋を渡り、福沢桃介記念館へ。
ここで後から来られた方と合流。



木曽川に架かる桃介橋は、全長247mの吊り橋で国の重要文化財。



       日傘一つ桃介橋の昼下り      伸

福沢桃介記念館は、
木曽川の電源開発に乗り出した電力王・福沢桃介(ももすけ)の、
風光明媚なこの地に大正8年に建った別荘。
木曽川の巨岩を土台に使った瀟洒な洋館で、その隣の当時の従業員宿舎(復元)ともども 
木曽川を望む川岸の、青葉の樹々に囲まれた静かな佇まいの山の歴史館になっています。





        八方を山に囲まれ木曽の梅雨    屯
        梅雨の木曽電力王の夢の跡     花眼
        青梅雨の馬籠妻籠おつぺけぺえ   安房守
        展示さる機関車夏の落葉かな    よっこ

「ホテル木曽路」の総支配人自ら運転して下さるバスで、木地師の里に立ち寄り妻籠宿へ。
江戸時代の宿場の街並を残して、道の両側には食べ物屋や土産物屋が並ぶ。
各自遅い昼食をとりつつ散策吟行。



















        お六櫛買うて木曽路の南風      伸
        亡き父を偲べとばかり檜笠      まるこ
        片土間の框の端の夏帽子       由由

家々には紫陽花はじめ季節の花が彩りよく客を迎えています。
軒下に燕の巣。
顔中口にして待っている子燕に母燕が手品の如く一瞬に餌を与えては飛び去ります。







        煙草屋の軒に子燕妻籠宿      伸
        夏燕妻籠の宿をほしいまま     樽



宿場の中程に敵の侵入を阻むための「枡形」の跡。

        直角に折れて丁子屋青葉風     由由

7点獲得の最高得点句です。
由由さんおめでとうございます。
気の向くままに右左 店を覗いいると美味しそうな匂いについつい足が止まります。



       五平餅梅雨の晴間の妻籠宿     花眼
       夏暖簾くぐり妻籠のとろろそば    安房守
       わが人生似たる姿や心天       雑楠
       散策の日照雨楽しき夏帽子      すかんぽ

木曽川に迫る山襖には夏霧が濃くなり−−−。







       深山に神在わします夏の霧     呑太
       さなぶりや雨に檜の匂ひあり     樽
       街道に面する厩風涼し        すかんぽ
       妻籠宿深き庇に梅雨走る      屯
       句作りの思案にくれる梅雨晴間   呑太
       半日を襖はづせる妻籠宿      よっこ
    
いよいよ 「ホテル木曽路」に入り投句。



       夏館迎えの自動ピアノかな      雑楠
       南木曾にて露天の風呂やひのき笠   えい



美味しい和食に舌鼓を打ちながら自己紹介。
え−さんは古い方は俳号「篝火」さんといえば納得されるでしょうか。
そのお友達まるこさんは、メロウに加わって頂くにはいささか若すぎるキャリアウーマン。





騒音の相談という珍しい仕事をなさっていて、俳句のセンスもなかなかとお見受けしました。
呑太さんは広島から屯さんはご存知札幌からの参加です。
食事を挟んで句会。
5句投句7句選句(うち1句特選)。
高得点句から選句感想、名乗り。








句会の成績と感想、添削等は以下、伸さんからUPして頂きました。

木曾への吟行は句材の豊富な点では格好の処でした。
天候も梅雨の最中でありどうかと
案じていましたが、雨男や雨女が居なかったためか、
まずまずのお天気でラッキーでした。
なにか感想のようなものを書けということなので、番号順に気のむくままに書いて
いきたいと思います。
まずは

7 水打つて歴史街道はじまりぬ    呑太

5年ほど前に木曾街道開宿400年記念の行事があったらしいのですが、それを引
用しての句作りは流石「水打って」の季語がよく働いていますね。

10 散策の日照雨楽しき夏帽子     すかんぽ

この句の難点は「日照雨楽しき」の楽しきという表現でしょうね、ここは作者の
感情をじかに表現せずに、「散策の日照雨ぱらぱら夏帽子」のような叙し方のほ
うが良いと思いますが……。

11 直角に折れて丁字屋青葉風     由由:

吟行の高点句のひとつです。この句のよさは意表を突いたように「直角に折れて」
という表現と、そのあと韻を踏むように「丁字屋」と「ちょ」を重ねた軽快感が
快いリズムとなって居ろ処でしょう。季語の斡旋も良かったと思います。

12 曾祖父の影みし古き籐の椅子    よっこ

これは、桃介邸に置かれていた籐椅子を素材に纏められた句ですが、古いものに
思い出を重ねて成功している作品です。「籐の椅子」は音感が良くないので「籐
寝椅子」としたほうが良いでしょう。

15 夏燕妻籠の宿をほしいまま     樽

よく抜けている句ですが、「妻籠の宿を」よりは「夏燕妻籠の空をほしいまま」の
方が景色が一層見えて来るのではないでしょうか。

16 さなぶりや雨に檜の匂ひあり    樽

吟行にきてこんな句が出来るのかと思うような俳句です。季語の「さなぶり」も見
事ですし、この地方の代表的な「檜」を持ってきたことで、この地区への挨拶句に
もなっているところが、憎いですね。

 18 木曽路にて楽しうれしひ麦酒かな  篝火

 俳句を始めたばかりの方の作品です。「木曽路なる宿に飲み干す麦酒かな」とする
と、すこしは良くなるのではないでしょうか。

25 街道に面する厩風涼し       すかんぽ
 
妻籠地区の復原保存工事の一つに「厩」がありました。街道に沿った民家の一部と
して馬小屋があるのですが、それが付近の家並みの中に融け込んでいて、不自然さ
をかんじないのは、まさに風涼しという表現にふさわしいと思いました。

30 木曽川の白き河原や夏の水     花眼

このままでは平凡な光景しかみえてこないのですが、「木曽川の夏の河原や水迅し」
とすると、句がしまってくるのではないでしょうか。

32 青梅雨の馬籠妻籠やおつぺけぺえ  安房守

高点句なのですが、私は「おつぺけぺえ」という納め方が唐突すぎて付いていけない
おもいがします。桃介橋を知らない人には「「おつぺけぺえ」って何のこととなるで
しょう。適当な言葉が見当たらないので、添削はできませんが作者はご一考ください。

35 夏館迎えの自動ピアノかな     雑楠

宿泊したホテルのロビーには純白のグランドピアノが置かれてあり、私たちの到着を
歓迎するように、それが自動で演奏をしてくれていました。句材は少し注意していれ
ば、どこにでもあるというお手本のような俳句です。

37 五平餅梅雨の晴れ間の妻籠宿    花眼

この句は句の形と言いますか、句姿とでもいいますか、そんなものが整っていて気持
ちのいい句です。それは先ず上五できちんと切れて、中七で流れるように繋がって、
下五でまたちゃんと名詞で切れているからです。

38 日傘一つ桃介橋の昼下り      伸

これは私の句ですが、この句は半分は虚です。平たく言えばウソの句です。しかし本
当のこと(中年の男性が雨傘を差して梅雨の橋を渡っていった)と詠んでも、面白く
も可笑しくもありません。そこで、私は傘を日傘に置き換え、貞奴のありし日を思い
ながら纏めたのが、この句です。

41 夏暖簾くぐり妻籠のとろろそば   安房守

この句も高点句です。掲句も先ほどの37番の句と同じで、きちっと抑えるべきとこ
ろは抑えてありますから、一句に格調というものが生じまして、おのずと点が集まっ
てくるといえましょう。

45 妻籠宿深き庇に梅雨走る      屯

この句も同じようなことが言えますが、私は「梅雨走る」という納め方にやや不満を
持っています「五月雨」とか「梅雨じめり」とかいろいろ季語はあると思うのですが、
                     
57 片土間の框の端の夏帽子      由由

この句は、私個人としましては、特選に押したいような作品なのですが、「片土間」
ってなにという思いが強くて、はずしてしまった句です。広辞苑を引いても「片泊ま
り」はあても「片土間」はないので、外したのですが、後で聞くと両側に座敷のよう
なものがあるのは通し土間で、片側に座敷があるのが片土間だといわれまして、一つ
賢くなったのですが、「框の端の夏帽子」という措辞は出色だと今も思っています。


句会お開きの後の様子は、雑楠さんはじめ皆さんののUPをご参照下さいませσ(^^)


翌日26日(月)は目が覚めると生憎の雨でしたが馬籠宿へ。





















藤村記念館ではゆっくりビデオなど見て、丁寧な展示品にそれぞれ興味ある発見をいたしました。





おいしいお蕎麦,











を食べた後,
そのまま残って絵を描く屯さん、まだ北へ旅を続ける呑太さん、
友達と会うよっこさんなどなど、次回の吟行を楽しみにと三々五々解散。



みなさん 来年また 元気にお会い出来ますように−−−。
由由さん、何から何までお世話ありがとうございました。

                    ・・・・・すかんぽ・・・・・