長門記2 あの男達に会いたい

まず会いたいのが晋作、高杉晋作誕生地はつい目と鼻の先だ。
そのたった2、300mを歩くと腰がズキンズキンと来る。
完全に風邪にやられたらしい。

晋作の家は二回目だ。
30年前、客は I君とたった二人だけ、
上品な中年の女性が晋作の一部始終を話してくれた。
勧められた萩焼きの徳利と杯、愛用していたが先だっての引越しの時に捨てられてしまった。
今回は観光客が群れなしている。
私が晋作に惚れたのは、あの男前さでも勇猛果敢さでも豪快奔放さでも、
機敏さでも、視野の広さ、バランス感覚でもない、それは女性の扱いの見事さだ。







北へ一丁程歩いて右、もう一度右に曲がって一丁も歩くと桂小五郎の旧宅、
小五郎は剣術家の筋を引く私の子供の頃からの憧れの人だ。
しかし、成人するにつれ彼の逃げ方の巧さを知って彼への慕念は摺り減っていった。
木戸考允になってからは魅力が半減した。
映画の見過ぎかも判らない。





萩の街中を西に向かうと、入り組んだ迷路のような白塀が続く。






何軒かの武家屋敷の中で、口羽家の旧宅は歴史を越えて見応えがある。







庭からの橋本川を全景にした借景、洒落ている。



その所々に、昔のままの、白塀、泥塀が所々に顔を出し、紅葉が趣を添える。























この狭い街中から幕末を動かした人物達がジャガイモのように転がり出た、
奇遇を遥かに越えた奇遇、いや、必然が有ったのかも知れない。

続く