長門記1 長門の旅は秋吉台から

くねくねと渓流沿いの道を登ると、両脇の断崖に紅葉が輝き出す。
30年ぶりの秋吉洞は激変だ。



鍾乳洞への道はさながら門前町の様相を呈し、お土産屋や御茶屋がぎっしり並んでいる。





鍾乳洞に入ると、大自然の不思議を味合う。
しかし、大陸の中国、フランスの鍾乳洞に比べると、
やはり、日本有数の鍾乳洞も規模が一桁小さい。
ぞろぞろと観光客の群れについ一通り見学してエレベーターを上り表に出ると青空が眩しい。

秋吉台を走る。
其処此所に奇岩の飛び出す秋吉台の全貌を見渡しながら車が走る。







随分昔に秋吉台のを舞台にした新聞小説を思い出す。
筋は忘れたが、
彼方此方にある穴の一つで女が男の死体を鋸で刻む描写だけが強烈な印象に残っている。
あの女性は新珠美千代が演じていたような。
昔はよく穴に落ち込んで行方不明になった人が多かったそうだ。

山道から突然海岸に出る、居眠りしていたようだ。
今夜の塒も決まっているし、
少し時間が有るからと萩の街を通り越して明神池、此処は海の魚が屯してい。





大自然の不思議、この辺り一帯の火山爆発で海の一端が湖となった。
エイが悠々と泳いでる。
黒鯛、ススキ、メバルなど、魚大家のNさんが指差してくれる。
この池は神池、此所の魚を食べると「たたりが有る」と言われており捕る者は居ない。
房州の小湊の沖合いに鯛の浦と言うところが有る。
其処は船縁を叩くと野生の鯛が群を成して寄って来るが、
その海域だけは漁師も漁を避ける、似たようなものだ。

暫く登ると笹山、展望台からの萩全貌は戴ける、沖合いに幾つもの島が並ぶ。





展望台のテラスで餌を手にすると、空中に舞っている無数の鳶が、
舞い下りてきて餌を掠め取り舞い戻る。
餌を空中に放り投げると鳶が群がる、
取り損なった餌は地面で待機している烏の労せずしての獲物と化す。
笹山の中心に、うっかりすると見逃してしまう様にひっそりと緑の奥に噴火口が有る、
一寸、覗いてみると可成の深さだ。
ここにも大自然の不思議がある。

「女台場」と言う民宿を探し尋ねると「女台場」と言う場所に出た。
幕末、男どもが戦いに狩り出された時、銃後の女どもが築いた台場なのだ。

萩の地酒の熱燗が並ぶと、3日続きの酒席も忘れて止めど無い。

続く