初秋の奈良3
唐招提寺

薬師寺から唐招提寺への真っ直ぐな道、
多分、古くからの道だろう。



飛び飛びに並ぶ民家、その民家の間を縫って曼珠沙華。



今までにどんな人がこの道を歩いたのだろう。
万葉集に、
「道の辺の壱師の花の灼熱(いちしろ)く人皆知りぬ我が恋妻は」
と柿本人麻呂の歌があるが、この「壱師の花」が曼珠沙華と言われている。
ただ、これだけ目立つ曼珠沙華なのに、
万葉集の中で曼珠沙華を歌っているのは唯一この歌だけだと言う不思議がある。







唐招提寺の塀が向こうに見えるこのあたり、絶好の散策道だ。

唐招提寺
南都六宗の一つである律宗の総本山。
鑑真大和上が東大寺で5年を過ごした後に修行の道場として開いた。
見覚えの在る金堂を正面に見る。



平城宮の建物で現存する唯一の建物だそうだ。







中央に慮舎那仏。



ご本尊の右に釈迦如来、左が千手観音、いずれも国宝。

金堂に秋の雲、いかにも平城の姿を醸し出す。





天平の時代にもこの様な雲が出ていたに違いない、
平城の人々はこの雲をなんと呼んだのだろうか。



四天王立像。
奈良時代の作と伝わる、力強い奈良の息吹がひしひしと伝わってくる。



梵天・帝釈天。



唐招提寺の境内を当て所なく散策する。







御影堂は閉門、
鑑真和上にはお会い出来ないのだ。



外から中を覗う。
萩が真っ盛りだ。
奈良の壁に萩が良く似合う。



彼方此方を歩き回って、鑑真和尚御廟へ向かう。
と、この苔の見事さ。
秋篠寺の苔を思い出す。





55歳にして日本へ渡る決意をし12年目、6回目にしてようやく日本に辿り着いた鑑真。
その凄まじい執念、意志の強さには、ただただ、頭が垂れるのみである。
一礼して、木漏れ日に一際美しく映える苔の輝きの中を引き返す。







さあ、次に唐招提寺を訪れるのは何時のことになるだろう。

つづく