四十雀の巣立ち 5

四十雀の番が出来るのには、どのような経緯が有るのだろうか。
四十雀の世界にも惚れた振られたも有るのだろう。
どうも、一夫一妻らしいが、たまには、浮気でもする事が有るのだろう。
 
そんな事を考えながらパソコンに向かっていると、
何処からかあの聞き慣れた鳴き声が聞こえてくる。
声の主を探すが見当たらない。
10秒、いや、20秒くらいで鳴き声が止む。
近くの森の辺りに居るらしい。
暫らくすると、また鳴き声だ。
大体、10分間隔でやって来る。
当初の様に、巣の真近では無い、一寸離れた所で様子を観ているらしい。
このところ、当初のような頻繁な巣箱への出入りは無い。
1時間の内に、せいぜい、1,2回の出入りだ。
弾丸のように飛んできて、一旦、桃の木に止まり、巣に入る。







入る時出る時、よくもあんな小さな巣箱の穴に...
音も無く、いきなり、真直ぐに入り、いきなり、一直線に飛び出して行く。
一瞬の出来事だ。
 
巣篭りした雌に雄が餌を運んで来る、
そんな話を巷で聞いてたような気がしたが、そんな様子は無い。
 
四十雀の夫婦でも時には意見が食い違う時も有るのだろうか。
人間で言う、一目惚れ、なんても有るのだろうか。
趣向や考え方などの違いも有るのではないだろうか。
彼等の老後はどうなっているのだろうか。

時々フット気が付くと、何処からかあの特徴の有る鳴き声が聞こえてくる。
何処から聞こえてくるのか判らない。
「よーし、今日は性根を据えて居所を確かめてやろう」
と二階の窓から四方に目を凝らす。
居た!居た!
私の家は高台に有り、丁度目の高さに前の家のTVアンテナが有る。
そのTVアンテナに真横になって鳴き騒いでいる。



真南30m程の距離が有るだろうか、余程、目を据えないと見付からない。
10秒もすると南へ飛び去って行った。
 
2,30分後、また高らかな鳴き声、さっきのTVアンテナには居ない。
西側の窓から探すと、居た、居た、今度は南西西方角の電線の上だ。



今度も10秒位して南へ飛んで行く。
また、2,30分して鳴き声、今度も電線の上だがさっきとは少し位置が違う。
さっきより少し南寄りだ。 何回か鳴いて直ぐ飛び去った。

またまた鳴き声、今度は遠そうだ。 
やっと見つける、遥か離れた梢の上、100m位の向こうだ。
彼?の声は良く通る。


 
彼は周期的にやって来ては
「おーい、大丈夫か!」
「お腹空いてないか!」
「少し代わろうか!」
そんなように聞こえてならない。
当初の様に巣箱の真近には決して近寄らない。
 
目立たないように、目立たないように、そんな出入れが幾日か続く。
毎日の出入りからして、巣作りの成功は間違いない。
卵を暖めているに違いない。
 
彼の方は、相変わらず餌を運んで来る様子は無い。
何時ものように、30分くらいの間隔で、
TVアンテナ、電線、梢のてっぺんで、
「チーピョ、チーピョピョ....」
何か語り掛けている様でもある。
 
10時近くの時だ。
電線で鳴いて居た彼の間近に、
四十雀の2倍くらいの大きさの鳥がやって来て彼の直ぐ側、
1mほどのところに止まった。



しかも二羽だ。
彼は逃げない。
むしろ二羽の間近までツンツンと近寄って行って、
「これ以上近くによるな!」
「あっちへ行け!」
体を上下して鳴き騒ぐ、威嚇なのだろう。
彼の威勢に押されたのか、大きな二羽は少し遠くに止まり直し飛び去った。
頑張っている、頑張ってる。

つづく