四十雀の巣立ち−3

二日後、一匹が、口一杯に巣作りの材料を運んで来た。 







小さな入れ口から材料の一部が零れ落ちる。
何回か出入りを繰り返す。





「もう一匹は?」
と思うも間もなく、あの特徴の有る鳴き声が響き渡り出した。





庭木の高い処から次第の近づいて物干竿に降り立つと、
首を右に180度、左に180度回転させながら、前後左右を忙しく見廻し、
前日よりも更に鋭く、甲高く囀る。
あたかも、新婚の感激、新居を構えた感動に抑え切れない歓喜を謳っている如くだ。
おおらかで、揺るぎ無く澄んで、躍動的で、人?生の謳歌とでも言おうか。
ものの1分位だろう、一匹が巣箱の中へ入ったり出たりしている間、その一匹は囀り続ける。
クリック 四十雀の鳴き声
巣箱から一匹が飛び立つと、その一匹も間髪を入れず後を追い、
庭木の間を器用に潜り抜けて猛烈な勢いで中空へ飛び去って行った。
いよいよ、本格的な巣作りが始まったようだ。
せせら笑って居た奴も、白い歯を出して、瞳を据えていた。

つづく