四十雀の巣立ち−1

ふと、窓の外を見やると、
一匹の四十雀が、軒に取り付けた古い巣箱を覗いている。











小さな穴から出たり入ったり、巣箱の上や下、逆さになったり、斜めになったり、





巣箱にぶら下がったりている。
「もしかしたら、巣作り?」
期待が膨らむ。
 
この巣箱は、もう7,8年も前に、或る木工展を見物した時の戴き物だ。
持ち帰って直ぐ、東南向きの一番日当たりの良い軒に取り付けた。
しかし、ガラス一枚の内側は我々の毎日の生活の場所だし、
三匹の猫の格好の昼寝場所でもある。



しかも、巣箱の真下は、猫達の運動場でもある。 2mも無い高さだ。
更に、其処は、我家の雌猫達を狙う近所の雄猫たちの彷徨が絶えないのだ。
 「そんな所に、鳥が寄り付く筈無いでしょう」
とせせら笑う奴が居る。
四十雀は、巣箱から、離れた後も、
暫らく周囲の庭木や物干竿を行ったり来たりしていたが、やがて、何処とも無く飛び立って行った。

つづく