西安

西安は二度目だ、と言っても一度目は空港を通っただけ。
昔の長安、シルクロードの入れ口、あの楊貴妃、玄宗、則天武后、李白.......
歴史上に名を残す綺羅星の如き人物が生をなしたところだ。


碑林
何よりもまず書に携わると人間として碑林。





夢にまで見た憧れの書家の数々、
欧陽詢、虞世南、李陽冰、顔真卿、柳公権、張旭、懐素、智永、等々の
直筆が目の当たりに出来るのだ。
写真にしにくいのが口惜しい。


 



碑林の門前には書画を売る露店。
私の目から見ると歴代の書聖達と見劣りしない作品が無造作に並んでいる。
たったの10元で売られているのだ。





乾陵
これほどの規模とは思わなかった。
本来は夫たる高宗の墓だったのだろうけど、
合葬された則天武后の女力の方が勝った。



 





これだけの規模の自分の墓を作った女、
どんな女だったのか顔を見たいもんだ。


乾陵を下る途中に穴倉の家があった。
恐る恐る近づくと主人が出て来て、
「遠慮するな、はいいんなよ」
の言葉で中を覗く。

 



秦俑博物館
これを見て驚かない者が居るだろうか。
これが2200年前の作品、そしてその数。
普通の農民が井戸掘りの最中に壷の欠片のような物に当たった。
黄金の入った壷かと思ったら鎧を着けた武士の陶片だった。

今にも嘶きそうな河西馬、今にも献策を具申しだそうとする武将、
そこに居るようではないか。


 

武士800体、軍馬600頭、戦車125両、
2200年前の無敵軍団が再びこの世に現れたのだ。
実際の武将、文官たちがモデルだったらしい。





どの顔も千人千様、
一つとして同じ顔が無いのだ。
経験豊かな老兵、血気旺盛な壮年、稚児じみた若者、
一人一人の性格、地位、職種、そんなものまで覗えるのだ。

 

これも始皇帝の墓の一部だと言われる。
まだまだ、埋もれた世界なのだ。



始皇帝墓
史記によると元々は高さが115m余り、
周囲の長さ一辺が7.5km、墓の深さは693mとある。
数々の戦火、農民蜂起で破壊され現在は 直径100mにも満たない小山。
それでも頂上まで一汗だ。

この近辺の地下には想像を絶する地下王宮墓が眠っているとか囁かれている。
秦俑の規模からしても大変なものだろう。
生きている内に全貌が明らかになるかどうか。





陝西歴史博物館
此処も凄い。
1991年にオープン、在庫文物370000点、常時陳列2700点。
周秦漢唐の秘宝がザクザクしている。





 



下の左が書道の世界で名高い石鼓、右が度量標準、
いずれも世界に誇る秘宝だ。



 



華清池
玄宗最盛期の頃、楊貴妃の為に造った別荘?


 

楊貴妃が毎夜浸かったであろう温泉、
煌びやかな香りが漂ってくる。

 

 

オオッ、これこれ、
西安事件のときの弾痕だそうだ。
蒋介石が逃げ込んだ石室が上の方に見えた。





楊貴妃墓
チャーターした車が足を延ばしてくれた。

 



後世に立てられたものであろうが、
あの楊貴妃の墓にしては如何にも物寂しい。
勿論、この楊貴妃の白像は近代のものだろう。
日本の長門地方に楊貴妃の墓がある。
安禄山の変を逃れた楊貴妃が日本へ辿り着いたと言う伝説が残っている。


永泰公主墓
壁画が艶かしい。








安定門
西安のシルコロードの玄関口。



安定門から西、シルクロードの方向を望む。
当時は駱駝でも歩いてきたのだろうか。

 

こんもりとした街路樹に当時を偲ぶ。




大雁塔
別名は慈恩寺。
隋代の創建、唐朝三代皇帝の高宗が母の為に慈恩寺と改名。
三蔵法師ゆかりの寺だ。



下の右側が書を志す人なら一度はご厄介になる
チョ遂良の名筆「雁塔聖経序」。







鐘楼



西安最後の日、
鐘楼の近くの大きな日本料理店、
半分くらい食べた時、肉じゃがの中に虫を発見。
酒代も含めて料金は取らなかったが、
暫く気持ちが悪い思いをする。

もう一つ西安での不愉快な思い出、
駅前の写真屋にプリントを取りに行った。
見せの者が、
「あんたのカメラは壊れている」
と言ってフィルムを見せる。
フィルムの端の方がグシャグシャになっている。
「簡単に直るか」
「簡単だよ」
と彼方此方のネジを外しだした。
そう簡単でもなさそうだ。
殆ど分解掃除に近そうなの見て慌てた。
「幾ら?」
「600元」
一寸、待ってくれよ、どうも怪しい。
「不要だ、元に戻してくれ」
と言っても、どんどん分解を進める。
もう一度、強く言うと、
「使えなくても知らないぞ」
と、私の顔を窺いながら元に戻す。
「じゃ、200元でいいよ」
引っ掛かったこちらも不用心だった。
100元投げ出して戻ってきたが、後を追ってくる様子も無い。
翌朝、もう一度立ち寄って彼らの写真を撮ると、
「何すんだ」
と顔を覆いながら凄む。
案の定、その後、カメラには全く異常無い。

まあ、十分楽しんだ西安、良い想い出の方が沢山なのだが。



 

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